Delphi は鉛フリーに関する活動や製品開発において指導的役割を担っています。 これらの活動には、エレクトロニクス業界や Delphi のお客様が新しい環境要件に適合する目的で鉛フリーはんだへ移行していくための支援も含まれています。 しかしながら、電子アセンブリの製造において鉛から鉛フリーに移行するということは、単にはんだ組成を変更するということではありません。 車両の厳しい熱サイクルや振動環境に耐え得る鉛フリーはんだの選択、ならびに必要となる設計、製造工程や部品変更の特定や対応は、重要な作業です。 Delphi は高品質な鉛フリーはんだソリューションを提供できるよう、電子アセンブリ基板から鉛を取り除くのに役立つソリューション開発を目的とした6年間にわたる研究に積極的に参加してきました。 この研究参加は、車両メーカーが車の「グリーン」化を推進するために支援をするという当社の継続的なコミットメントの表れでもあります。
|
「グリーン」はんだへのこのような取り組みの下、Delphi Electronics & Safety 部門でアセンブリ先進技術を担当する鉛専門の科学技術者 Richard D. Parker 氏が、このほど鉛フリー・エレクトロニクスに関する書籍を共同編纂したのも偶然ではありません。 2007年10月に発行された 『Lead-Free Electronics: iNEMI Projects Lead to Successful Manufacturing』と題するこの本は、 鉛はんだの代替となる製品の開発における課題について説明し、はんだ材料の特性、鉛フリー再加工および信頼性試験などの項目も網羅しています。
「私たちは、この新刊本の共同編纂者のひとりとして Rich 氏が参加していることを誇りに思います。」と、Delphi Electronics & Safety の先進プロダクト & ビジネス開発ディレクターのBob Schumacher 氏。 「鉛フリーはんだに関する彼の業績は、当社の製品とプロセスが常に環境に優しいものとなるように取り組むという当社の企業ビジョンにおいて、極めて重要な役割を果たしています。」
プロローグ
Delphi は 1990年代初め、はんだの代替品に関する社内研究を開始しました。 以来当社は、鉛フリーはんだ合金で必然的に生じる高い処理温度への露出に耐える回路基板、部品および加工材料をどのように変更するかという問題など、多くの障害の解決において中心的な役割を果たしてきました。
1999年 Delphi は、電子アセンブリの信頼性維持に不可欠な鉛フリーはんだ合金組成を、世界的に業界全体で標準化するための支援を行うよい機会がであることに気付きました。 Parker 氏を含む Delphi の専門家らが、 iNEMI (International Electronics Manufacturing Initiative)の発足以来、積極的に活動してきました。 iNEMI 概観によると、同組織は「電子製造技術を専門とする法人会員のみから構成される団体」です。
「Rich 氏は、iNEMIの鉛フリーイニシアチブの貴重な貢献者です。」とiNEMIのCEO、Jim McElroy 氏。 「彼は、この本の編集作業を行っただけではなく、この本に取り上げられている研究にも貢献しています。 彼のリーダーシップとビジョンが iNEMI がこの分野で成功するためには不可欠でしたし、これからもそうあり続けることでしょう。 これは、Delphi Electronics & Safety からのサポートとスポンサーシップなしには実現できなかったでしょう。」
Parker 氏はiNEMI の設立当初から活動を推進しており、最近では錫ウィスカープロジェクト第2期の議長を務めています。 同チームは、錫(特に電気めっきされた錫の場合)が最終仕上げに使用される場合に発生する、導電性がある結晶構造の錫ウィスカーの根本的な原因を特定しています。 錫ウィスカーは電子システムをショートさせることがあり、Delphi の経験豊かなエンジニアが根本的な原因を特定することでシステム故障のリスクを最低限に抑えるよう全力を注いでいます。
書籍の共同編纂の際、最も困難だったことについて聞かれると Parker 氏は、iNEMI のメンバーの研究のすべてを発行日に間に合うようにまとめることだったと述べています。 「 iNEMI での活動以外に、私達は皆フルタイムの仕事をもっています。 優先事項の高い仕事とはいえ、書籍用に情報を収集するのは困難なことでした。」
「概して、困難ではありましたが、たいへんやりがいのある作業でした。 多くの企業や団体の優秀な人々と共に仕事ができたことは大変光栄なことです。 私がアイディアや課題を投げかけ、そこから生まれる科学的議論を楽しむ。 このような仲間意識が多くの友情につながりました。
編集後記
鉛フリー・エレクトロニクスに関する書籍の発行は、Delphi の iNEMI との協力関係や自動車メーカーの環境に優しい車の製造に対する支援の取り組みの終わりを意味するものではありません。
iNEMI は多くのプロジェクトを進めており、自動車エレクトロニクスが進化を続ける限り、Delphi は引き続き同イニシアチブに積極的に関わっていくことを確信しています。」と Schumacher 氏は明言します。 「電子アセンブリ基板で使用されるはんだは、車全体からみると非常にわずかな部分にすぎないように思われます。しかしグリーン自動車へ向けて踏み出すステップのひとつひとつが、すべての人々にとってよりよい環境を作っていくための重要なステップになるのです。 Delphi は、エレクトロニクスおよび自動車業界が目標を達成するために支援していくことを固く決意しています。